【BMW X2 xドライブ2.0i試乗】BMWのSUVで最もコンパクトなX2。走りはシャープで実用性も高い

試乗車はxドライブ20iで搭載されるエンジンは4気筒の2リットルターボ、最高出力は192馬力、最大トルクは280Nmとなります。最高トルクの発生回転数は1350〜4600と広範囲にわたりフラットです。このエンジンに組み合わされるミッションは8速のATです。

オートモードで走っている際は多段化されたミッションのおかげで変速ショックのないスムーズな加速が快適です。一方、パドルシフトを使ったマニュアル操作でも瞬時のシフトチェンジが可能で、ワインディングではスポーティな走りができます。

乗り心地はちょっと硬めです。ほかのBMW同様にランフラットタイヤを履くため、とくに路面の継ぎ目などタイヤが受け止めるようなショックをよく拾います。ペースを上げていくと、徐々にこうした継ぎ目のショックは減っていきます。

どの速度を設計目標にするかによってこうした特性は変わりますが、ヨーロッパ車は低速度でのちょっとした振動よりハイスピードでの快適性を重視しているということがわかります。コーナリングはBMWらしいシャープな印象で、なかなかのハイスピードドライブが可能です。

ロールはそれなりに発生しますが、そのロールが不安感をともなわないのは足まわりが粘り強くグリップするからでしょう。

ユーティリティ性は高くラゲッジルームは470リットルの容量を確保しています。ラゲッジフロア下のスペースも大きく、使い勝手がいいものです。リヤシートを前倒ししてラゲッジルームの拡大ができるのはあたり前ですが、一般的な6対4分割ではなく、上級モデルによく見られる4対2対4の3分割方式で、センター部分を倒すと長尺物を搭載しつつ4名乗車が可能となります。

そのリヤシートですが、スペース的には十分なのですが、クッションの前後長が短めで体重分散がしきれず、落ち着かない乗り心地となります。

(文・写真:諸星陽一)

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諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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