【GT-Rニスモ・ニスモNアタック パッケージキット装着車】本職ライターでもたじろぐ!? クルム選手が「自信を持って踏める」チューニング

今回、ミハエル・クルム選手による走行に同乗することができましたので報告します。クルム選手は2013年のニュルブルクリンクでのタイムを達成したドライバーであり、また最新の2018年モデルのレースベース車・GT-RニスモGT3の開発ドライバーでもあります。

走行するのは日本の狭い峠道を再現したようなコースが特徴の群馬サイクルスポーツセンター、通称・群サイです。このコースは非常に道幅が狭くまたアップダウンが大きく、路面には一般的な公道よりも厳しいほどの凹凸がありく、かなり難易度の高いコースです。

道後幅や絶対的な速度域は違いますが、ある意味ニュルブルクリンクに近い条件といえるでしょう。

非常にくせが強いこのコースでクルム選手はひるむことなくアクセルを踏んで行きます。強烈な加減速G、コーナリングでの横Gのため体はフルバケットシートをもってしても完全には固定できず、オプションの6点式シートベルトの存在理由がよくわかりました。

そのように激しく車体が動いていますが、トラクションが抜ける感覚はないのが不思議でした。しっかりとトラクションがかかっているからこそクルム選手は自信を持って踏んでいけるのだろうなと推測します。

走行を終えてからクルム選手に足回りの方向性についてうかがいました。

「鏡のようにきれいな路面のサーキットを走るのであれば標準のGT-Rニスモでいいでしょう。
ただしニュルやこの群サイのような路面変化が大きなコースではしっかりとトラクションかけてやることが大事です。
このためNアタックパッケージではストローク初期の減衰が素早く立ち上がるような特性に変更し、タイヤを路面から逃がさないことに注力しました」

ベースのGT-Rニスモが整備された路面での最速GT-Rを目指す性格だとしたら、このNアタックパッケージはどんな場面でも速い、”無差別級でトップを狙う”仕様なのでした。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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