【スバル フォレスター STIパフォーマンスパーツ装着車試乗】「体幹強化」と「高機能スポーツウエア」。2つのキーワードが上質さを向上

STIのチューニングの考え方はスポーツ選手の戦闘力強化にたとえられて説明されます。そのなかで大切とされているのが、体幹強化と高機能スポーツウエアです。

体幹強化というのはボディ補強に代表されるもので、フォレスターの場合はフレキシブルタワーバーとフレキシブルドロースティフナーの装着によってもたらされています。どんなスポーツでも身体の動きを支える中心である体幹がしっかりしていないと筋力アップの効果が出にくいというのと同じ考え方で、まずは体幹に相当するボディをしっかりさせようというものです。

その効果はきっちり発揮できています。一番わかりやすいのはコーナリング初期の応答性で、ステアリングを切った瞬間にクルマの動きが変わる部分です。ノーマルのフォレスターの動きが決して悪いわけではありませんが、フレキシブルタワーバーとフレキシブルドロースティフナーが付けられたSTI仕様はさらにその動きに磨きがかかります。

 

一般的なタワーバーやスティフナーは、がっちり剛性結合してしまうので、力を逃がしたい部分で逃げないため、乗り心地が硬くなったり、余分な力がボディにかかって動きが過敏になったりすることがあるのですが、フレキシブルタワーバーとフレキシブルドロースティフナーはその名のとおり、フレキシブルなので必要以上に頑張ることがなく、ハンドリングと乗り心地を両立しています。

 

高機能スポーツウエアはエアロパーツに相当します。少し前に「レーザー・レーサー」というスイムウェアが話題になったことがあります。これは水の抵抗を極端に減らすことができるスイムウェアで、あまりに高性能なためオリンピックなどの競技での使用が禁止されました。水の抵抗が大きいことは容易に理解できるでしょうが、空気も同じように大きな抵抗物で、クルマの走行には非常に影響します。

 

STIのフォレスター用パーツは、フロントリップスポイラー、フロントサイドスポイラー、サイドアンダースポイラー、エアロガーニッシュスポイラー、リヤサイドアンダースポイラーを装備。空気抵抗を減らすだけでなく、適度なダウンフォースも獲得。安定した走りを実現しています。

 

スバルグローバルプラットフォームを得て、走りの質を1段階アップした新型フォレスターは、STIの手によりさらなる質のアップが行われていると言えます。

(文/諸星陽一 写真/小林和久、ウナ丼)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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