そして興味深かったのが交渉内容について。山下社長はF1の運営がリバティ・メディアに替わったことで、交渉内容も大きく変わったと言います。
「以前のエクレストンさんとの交渉というのは、我々のリクエストに対して“イエスorノー”の答えがくるだけでした。対して現在のFOMのメンバー(リバティ・メディア)とは、そのレベルでは収まらない議論ができています。たとえば、我々のリクエストに対して、『そこまではできないけど、こういうことならできるがどうだろう?』という感じです。つまり、今までとは交渉のやり方まったく異なっていて、それならば、そのなかでお互い納得できる合意に至るベストなラインを見つけようと、これまでよりも突っ込んだ交渉になっているわけです」
F1ファンにとって日本GPは、年に一度のお祭り。この日のために日々の生活を頑張れる!という方も多いかと思います。日本のF1ファン、そしてこれからの日本のモータースポーツ発展のためにも、絶対に来年以降も開催してほしいですよね。
交渉内容が大きく変わり、前むきに進んでいるように感じるF1日本GPの未来ですが、果たして今後の開催に向けて現状はどうなっているのか…。詳しくは本誌でチェックしてみてくださいね。
■ムッシュ柴田のグランプリMemories
もう一つのオススメコンテンツが、F1ジャーナリスト「ムッシュ柴田」こと柴田久二夫さんが長年の取材記録のなかから感動した、辛かった“あの瞬間”をあらためて綴る「ムッシュ柴田のグランプリMemories」。
柴田さんは「F1ドライバーには、自国グランプリでとんでもない力を発揮するタイプと、逆にリキみすぎてしまったり、不運が重なって勝てないタイプに分かれるようである」と分析しており、母国GPでポールスタートからリタイアと衝撃の結末でレースを終えた、地元で結果を出せない典型例セバスチャン・ベッテルの2012年ドイツGPについて振り返っています。
「2008年のトロロッソ時代から通算8回ドイツGPに出走したなかで、優勝は13年ニュルブルクリンクにおけるわずか1回。12年のドイツGPも、ベッテルには辛い母国レースとなってしまった。予選は雨が降ったり止んだりの難しいコンディションだったが、ベッテルはフェルナンド・アロンソに次ぐ2番グリッドを獲得した。そしてレースでも終始アロンソと優勝争いを繰り広げた。終盤には追い上げてきたジェンソン・バトンに一度かわされ、3番手に後退するも豪快なオーバーテイクで逆転に成功する。ホッケンハイムでは自己最高の2位表彰台に立ち、地元ファンの大歓声に応えた。ところがその後、バトンを抜いたのがコース外だったと見なされ、20秒加算ペナルティを受け5位降格となってしまった」
毎戦そのグランプリに合わせて思い出話をピックアップしてくれるこちらのコンテンツは、「振り返ってみるとそうだったなぁ」としみじみすることがたくさん! 残りのグランプリではどのような話が飛び出してくるのか、楽しみです。
この他にもハミルトン奇跡的逆転の一部始終を無線交信で振り返る「決勝無線レポート」や、激しいタイトル争いを繰り広げているハミルトンとベッテルのキャリアを比較する「Sebastian Vettel vs Lewis Hamilton」など、今号も読み応えがありますよ。
「F1速報ドイツGP号」は書店、または三栄書房オンラインショップで好評発売中です!
(yuri)
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