【新型クラウン試乗】細長くなったディメンションがもたらす居住性をチェック。シートの座り心地にも変化

前席はシートサイズが大きく、ゆったり座れます。シートの高さなどは先代とあまり変わっていない印象。自然なドラポジを取ると、背もたれを立て気味にして、シートスライドも下げすぎないのが最もしっくりきます。昔のように、シートを後ろ目にして、リクライニングを寝かせて片手でステアリングを回すような「旦那スタイル?」のドラポジが取りにくくなった印象。

一方の後席は、セダンとしてはフィット感の高さが美点で、先代までのオーナーであれば、リヤシートでも少しサイドサポート性が高くなっているのに気がつくはず。それでも乗降性に影響があるほど、サイドが盛り上がっているわけではありません。

さらに、先代までのソフトな座り心地から、本革、ファブリックともにやや硬めになったのが新型で、これは前席も同じ。後席の足元空間は、先代よりも70mmもホイールベースが延長された恩恵は大きく、乗り比べると広さを実感できます。

4ドアクーペ風のフォルム、「6ライト」の採用により、ヘッドクリアランスも気になるところ。頭上には身長171cmの私なら十分な余裕が残りますが、サイドウインドウが先代よりも内側に絞り込まれたこともあり、肩から上の頭上付近は少し狭く感じるかもしれません。

それでも、後席は「6ライト」と呼ばれる片側3つのウインドウ配置により開放感が高まり、さらに斜め後方の視界も改善されたのは朗報でしょう。居住性という意味ではフラットライドになり、乗員の揺れ幅が先代よりも明らかに小さく(少なく)なっていますから、クルマ酔いしやすい乗員でも新型クラウンなら大丈夫かもしれません。

続いては積載性もチェックしていきます。

(文/塚田勝弘 写真/井上 誠)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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