トランスミッションは9Gトロニックと呼ばれる電子制御式9ATで、駆動方式は主流になっているオンデマンド式ではなく「前31:後49」という固定式の駆動配分になるフルタイム4WD。
足まわりはトレンドの電制ダンパーが採用されていて、AMGスポーツサスペンションはコーナリング時やブレーキング時に、固いスプリングレートに瞬時に切り替わることで、軽快なフットワークを提供するとしています。
主に街中と首都高速を中心に走らせましたが、AMGらしく予想どおり硬質な乗り味で、路面状況が悪いと揺すぶられるシーンもあります。最近では、ジャガーE-PACEの乗り心地の硬さに驚かされましたが、そのE-PACEよりは、もう少ししなやになっています。
強烈な加速は想像以上。2tに迫る重めの重量をまったく感じさせません。ピュアスポーツではなく、クロスオーバーSUVですから、強めに踏み込んでもたじろぐような出だしにはなりませんが、高速道路の速度上限内で走っている分には、準備運動程度というパワーの出方です。
これ以上踏み込むにはサーキットが必要になりそうです。本当に圧倒的な加速感がまだまだ続く感じ。また、高速道路でも法定速度内であれば車内は比較的静かで、再加速をするシーンで勇ましいサウンドが響いてきます。
なお、後席の居住性は身長171cmの筆者なら狭さを覚えることなく、ロングドライブも許容できそうで、普段は2人使いでも急なゲストが来ても十分に対応してくれます。
(文/写真 塚田勝弘)