私がスポッターを努める日比野哲也選手、無事追走進出を果たしました。
Best16が決まるとトーナメント表が出て、こんな感じで追走の相手がわかります(※私のガチな資料なので、こんな写真ですみません)。
そして追走に向けて作戦を練っていきます。相手がどんなドライバーなのか、今回の調子はどうなのか、マシンコンディションや今回のコース路面と各メーカーのタイヤとの相性などなど……
スポッターの役割が重要となるので、練習走行からすべての走りをチェックします。どれだけの情報をドライバーに伝えられるか、外から走りを見てどれだけコンディションを見分けれるか。
私はまだまだ拾える情報は少ないのですが、私がドライバーで日比野選手がスポッターを務める時のやり方を真似て、できる限りのことをやりました。
追走1回戦の相手はタイ出身のポン選手。愛称:ポンちゃん(笑)
マシンは1013馬力の86と、コーナリング速度が速い車です。ドライバーは1セクターの振り出しに少し自信がないのか乱れることが多いので、日比野選手が得意なスーパー振り出しでプレッシャーをかければイケる!
もちろん日比野選手のS2000がふらついたり、スピンなどの失敗がないことが前提。作戦は功を奏して勝ち抜きました!
そして次の相手はシリーズチャンピオン争い常連の川畑真人選手。マシンは900馬力のGT-Rです(ちなみに日比野選手のS2000は700馬力ほど)。
180km越えで振り出し、セクター内では全体的にスピードがあり、気持ちも強い選手です。しかし、全体的にライン取りは大きめなので、日比野選手のS2000の身軽さとコンパクトなボディを利用して最短距離のラインを通ることができれば勝てるチャンスはある!
スポッターとしてドライバーに発破をかけます。作戦はうまくいき、前を走るGTRにセクター3のクリップで寄ることができ、8.0 vs 8.0のイーブン(同点)です。
次はS2000が先行、振り出しから好調でスポッター席の周りからも「これはイケるんじゃない?!」との声が。
しかし、セクター3のクリップで角度が増した際、加速体制のGTRから接触されてしまい、左リアのアームが曲がってしましました。審判員は先行(S2000)の失速と判定し、惜しくもBest8敗退となりました。
総合優勝はTONEがサポートするD-MAXチーム、横井昌志選手。単走優勝はTOYO TIRES GLION TRUST RACING川畑真人選手。
今回私はドライバーとしてではなく、サポートする役割としてD1という最高峰の大会に参加しましたが、こうして各選手の走りや、戦い方を客観的に見ることによって選手としての自分も成長させられます。
また、ドライバーを支えるチーム員がどれだけの責任感を背負って自分を支えてくれているか痛感しました。
今回のスポッター体験は確実にドライバー塚本奈々美を成長させてくれると思います。
(レーシングドライバー・塚本奈々美)