【プジョー308試乗】 フランス流Cセグメントハッチバックの特徴を、3気筒 1.2Lガソリンターボのベーシックグレードから探る

このクルマのトピックの一つは、エンジンの良さです。インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー2017の1.0-1.4L部門で3年連続の最優秀賞に選ばれた名エンジンです。

3気筒エンジンと聞くと、振動面でのネガティブな印象がどうしてもありましたが、その心配はまったくの杞憂でした。一般的な4気筒エンジンとは異なるエンジン音は聞こえますが、決して不快なレベルや音質ではありません。むしろエンジンを回した際のサウンドは勇ましく、どなたでも好ましく感じられると思います。

少し気になったのは、エンジン停止時に残るブルブルとする振動です。アイドリング時のエンジン振動を消すために柔らかいエンジンマウントを使っているのでしょうから、やむなしかと感じますし、4気筒でも同様以上の振動を感じるクルマはありますので、問題にはなりません。ただ、アイドリングストップが入ると、この振動を煩わしいと感じることがあります。総合的には個人差はありますが、我慢できる範疇ではあります。

ちなみに、このエンジンにはちょっとしたギミックがあり、センターコンソールのスイッチを押してスポーツモードにすると、排気音が一段と野太く、勇ましいサウンドに変化します。

これはレゾネーターで音を作り、スピーカーから合成音を聞かせる簡単なシステムなのですが、こういった遊び心がちゃんとあるのは、フランス車らしいといえるのかもしれませんね。

後半ではハンドリング、乗り心地、音振性能のレビューです。箱根湯本駅をスタートし、山の上にある芦ノ湖を見ながら、さらにその先の十国峠までドライブします。山登りと下りではエンジン性能やブレーキングのやりやすさ、そしてワインディングではハンドリングと乗り心地、NVHを見ていきます。

(文/写真:吉川賢一)

この記事の著者

Kenichi.Yoshikawa 近影

Kenichi.Yoshikawa

日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイラインやフーガ等のFR高級車の開発に従事。車の「本音と建前」を情報発信し、「自動車業界へ貢献していきたい」と考え、2016年に独立を決意。
現在は、車に関する「面白くて興味深い」記事作成や、「エンジニア視点での本音の車評価」の動画作成もこなしながら、モータージャーナリストへのキャリアを目指している。
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