マシンに不具合があっても決して諦めず、ポジションをキープしながら懸命に走り続けるリカルド。ゴールが目前に見えてきた71周目、ヌーベルシケインでシャルル・ルクレール(ザウバー)がブレーキトラブルで止まりきれず、前を走るブレンドン・ハートレー(トロロッソ)に追突してしまいました。
これにより、バーチャルセーフティカーが導入。モナコGPはリカルドをそう簡単に勝たせてはくれません。
74周目にレースが再開。ここからリカルドは最後の力を振り絞り、後続との差を広げ堂々とトップチェッカーを受けました! やったー!!
ウイニングランを終えたリカルドは目頭を手で押さえ、しばらくマシンから出てきません。この姿を見てもらい泣きをしていたら、「アルベール大公にシューイをさしあげなさい」と目が覚めるような無線が飛びこんできたのです!
感動のあまりすっかり忘れていましたが、リカルドが優勝ということは……。いやいや、さすがに格式あるモナコではやらないですよね。
通常の表彰式はF1を運営、統括するFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)が用意する表彰台が使用されますが、モナコGPだけは王室関係者列席のもと、彼らよりも低い位置で行われます。
厳かな雰囲気でセレモニーが進みシャンパンファイトになると、どこからともなく聞こえてくるシューイコール。するとそれまで感動に浸って涙目だったリカルドが、嬉しそうにレーシングシューズを脱ぎはじめたではありませんか! しかもハミルトンがシャンパンを注いでるー!!
さぁ、ここからリカルド節炸裂です! アルベール大公に「いただきます」と会釈をしちゃうリカルドに大笑い! 豪快にシューイを披露すると、今度はレッドブルチーフテクニカルオフィサーを務めるエイドリアン・ニューウェイに勧め、ニューウェイは鼻をつまみながら(笑)、リカルドの勝利を祝いました。
さらにリカルドはアルベール大公とシャルレーヌモナコ公妃にも、シャンパンを勧めたのです(シューイではないのでご安心を)! リカルドの満面の笑みに負けたのか、お二人ともシャンパンをラッパ飲み!!
こんなに楽しいモナコGPの表彰式は、今まで見たことがありません! でもこれが許されるのも、リカルドの愛すべきキャラクターがあってこそですよね。F1の歴史で語り継がれる、忘れられない出来事になったのではないでしょうか。
モナコGPリザルトは以下の通りです(ポイント圏内のみ)。
順位/No./ドライバー/チーム
1/#3/ダニエル・リカルド/レッドブル
2/#5/セバスチャン・ベッテル/フェラーリ
3/#44/ルイス・ハミルトン/メルセデス
4/#7/キミ・ライコネン/フェラーリ
5/#77/バルテリ・ボッタス/メルセデス
6/#31/エステバン・オコン/フォースインディア
7/#10/ピエール・ガスリー/トロロッソ
8/#27/ニコ・ヒュルケンベルグ/ルノー
9/#33/マックス・フェルスタッペン/レッドブル
10/#55/カルロス・サインツJr/ルノー
(yuri)