電動化・自動化・安全性が実現す自動車のミライとは? ドイツ・ZF社の取締役が語る【人とくるまのテクノロジー展2018】

自動車業界は今、これまで前例のない変革の時代にあり、将来の姿を正確に予測する事はできません。そのような状況ではありますが、まず挙げられるのは、(エネルギー)効率化の追求とそれに伴う電動化ですね。いつ、どんな形で、という事を細かく見通すのは不可能なので、各社はいくつかのストーリーを作りそれに沿って研究開発や製品投入計画を立てています。

例えば、「シナリオA」は電動化がこれまでを大きく上回ペースで進んで行った場合。一方、「シナリオC」は様々な障壁によって電動化が進まないケース。その中間の「シナリオB」は、現在もっとも現実的と考えられるスピードで電動化が進んで行った場合、といった形です。

ZFの「高度統合型電動セントラル・ドライブ」

いずれにしても、電動化は必然的なもので確実に進行するというのが業界全体のコンセンサスです。今のところは、2020年代後半から2030年初頭には、販売される新車のおよそ3分の2程度が何らかの形で電動化されていると予測しています。

ただ、バッテリー技術に多くを依存する航続距離や充電インフラ整備に関する課題、さらに各国政府による環境戦略なども電動化のスピードには大きく影響します。また、いわゆる「ディーゼルゲート」事件が欧州における消費者の志向に大きな影響を与えたように、その他さまざまな要因による「揺れ動き」も起こる可能性が否定できません。

ZFの48V「統合スターター・ジェネレーター」