尿素水の補充とタンクが不要。デュトロに搭載されているNOx浄化用触媒「HC-SCR」【人とくるまのテクノロジー展2018】

触媒のスペシャリスト・キャタラーが「人とくるまのテクノロジー展2018」で展示していたのは、日野の小型トラック「デュトロ」に搭載済みのNOx浄化用触媒「HC-SCR」。尿素水が不要で、ディーゼルの課題であるNOx(窒素酸化物)の浄化性能を実現したディーゼル車用の触媒システムです。平成28年排出ガス規制をクリアしています。

尿素水を使わずに、排ガス中の未燃焼の炭化水素(HC)、燃料から分解生成したHCを還元剤としてNOxを無害化するもので、尿素水の補充が不要。尿素タンクをなくすことで、車両の省スペース化に貢献。

NOxを浄化するには還元剤が必要になりますが、「HC-SCR」は還元剤として燃料(軽油)を使用するため、尿素補充やタンクのスペースが不要。そのため、積載スペースが限られる中型~小型トラックに対して効果的なシステムになっています。なお、軽油を還元剤として使うため、若干燃費に影響があるそうですが、尿素水の補充とタンクが不要になる利点は見逃せません。

キャタラーのブースで話を伺うと、トラックだけでなく、乗用車への搭載も技術的には可能としていて、「人とくるまのテクノロジー展2018」では、欧州メーカーも含めて多くの関係者から注目を集めていたそうです。

(文/写真 塚田勝弘)

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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