コーナー先読みしてシートが変形!未来の電動シート『ナビ連携ニューマチックシート』【人とくるまのテクノロジー展2018】

5月23日~5月25日まで、パシフィコ横浜で開催されている『人とくるまのテクノロジー展2018 横浜』。そのアイシン精機のブースで未来感あふれる電動シートを発見しました。

それが『ナビ連携ニューマチックシート』というコンセプトモデルです(シミュレーター展示)。

これはナビ地図情報と自車位置情報を照らし合わせ、シートの各部分を瞬時に電動調整(実際には電動コンプレッサーで作った圧搾エアでコントロール)するというもの。

実際の作動パターンにはいくつかありますが、今回はコーナリング時に働く『先読みオートサイドサポートシート』を例にとってみてみましょう。この機能では、たとえば右コーナーが迫ってきたら実際にコーナーに入る「前」に、シートの左脇サポートがぐいっと内側に動いて横Gに備えてくれる、といった具合に作動します。

こうすれば直線走行時にはリラックスリラックスした姿勢で、コーナーに入る時にはしっかりと体をホールドしてくれるという、従来だったら”矛盾”であったシート構造を可能にしてくれるわけです。

またこのシステムでは『先読みオートリフレッシュ』という機能も搭載しています。

これは高速道路を一定速度で長時間連続走行する際など、単調で退屈なクルージング時などに自動的にシート背面のマッサージ機能を作動させるというものです(アイシン精機側の説明にはありませんが、これ、ぶっちゃけて言えば「居眠り防止」ですよね)。

この場合の制御には周辺の道路状況と、自車の位置だけでなく走行状態も組み合わせます。たとえば「郊外の高速道路を走行中」であり、かつ安全な状況下で「ACCを作動している」などの状態ですね。ほかにも高速道路を走行中にナビゲーションとリンクして目的地周辺のインター出口のそばで注意を促すべく、シートバックにバイブレーションをかけるといったことなど、様々なモードを設定することが可能です。

現時点ではショー向けのコンセプトモデルですが、エアで作動させる仕組み自体はレクサスLSなどで既に実用化されているものを使っているなど、実は実績ある技術ばかり。

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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