時速0km/hまで完全サポート。アイサイトによるオートクルーズコントロール(ACC)は自然さが売り【スバル・アイサイト Ver.3試乗】

それでは早速使ってみましょう。

ACCのセットをするにはステアリングステアリングの右にあるボタンを操作します。システムの機能をオンにした後、上下に動くスイッチで速度を任意の値に設定します。

今回は首都高速道路を走りましたので、速度制限値である60km/hにセットしました。

道が空いている状態ではこの60km/hをピタリとキープしたまま走行してくれます。車両の目前にやや遅めのスピードで走っているトラックが入ってきました。

するとアイサイトはこれをすぐさま感知して減速するとともに、設定された車間距離(右手のスイッチで長短をコントロールできます)まで距離を空けていきます。

一定の車間距離まで開くことができたら、あとは前方車両を常に捕捉しながら設定速度を上限として、速度を変化させながら追従オートクルーズコントロール状態に入ります。

前方にいた車両が右車線に移りました。するとアイサイトは即時にこれを認知して、画面から前方車両の表示が消えました。同時に前方車両のために50km/hまで落ちていた速度を設定の60km/hに取り戻すべく加速を開始します。

今度は前方に渋滞が発生しているのが見えました。ACCをオンにしたままその渋滞に向かいます。

アイサイトはドライバーが全く不安に思わない自然なタイミングで減速を開始し、そのまま渋滞車列の後方に、適正な車間距離で減速してつきました。

このとき時速は5km/hまで落ちていますが、いまだにアイサイトのACC機能は実行されています。

そのままゆっくりと渋滞は流れていきましたが、ついに前方車両が完全停止してしまいました。すぐXVも同じように0km/hまで減速して停止します。そして完全停止したままその姿勢を保ちます。

ちなみにここに至るも未だにドライバーはブレーキ/アクセルペダルに触れていません。そう、冒頭でも話しましたようにスバルXVに搭載のアイサイトバージョン3では速度0km/hの完全停止までフォローしてくれるACC機能が自慢なのです。

先行車が発車しました。するとアイサイト付きのXVも発進……とはいかず、0km/hからの発進についてはステアリング右にあるレジュームボタンを押すか、アクセルペダルを一回軽く踏み込まなくてはいけません。

ただしボタンやペダルを一度操作したからといってACCが解除されることはありませんので、速度が0km/hになることが頻繁な渋滞でも右手(足)1つの操作でずっと対応してくれるというわけなんです。

ちなみに、先行する車両がスタートしてしばらくしても発進操作がない場合にはアイサイト側から「先行車が発進しましたよ」という警告もしてくれます。

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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