【ピレリスーパー耐久2018】欧州そのままの本気バトルで話題のST-TCRクラス。開幕戦の鈴鹿を制したのはModulo CIVIC TCR!

4月1日に鈴鹿サーキットで決勝レースが開催された、ピレリスーパー耐久シリーズ2018「鈴鹿 春の陣」。

FIA-GT3の走るST-Xクラスから1500cc相当のST-5までの7クラス・52台が5時間後のゴールを目指してのレースとなる鈴鹿 春の陣。その中で今期も大注目なのがST-TCRクラス。

ST-TCRクラスのTCRは世界ツーリングカーカップなどで使用される車両規格で、概ね2リッターターボの4または5ドア量産FF車がベースとなります。そんなST-TCRクラスの開幕戦をポールポジションで飾ったのが、19号車BRP★Audi Mie RS3 LMS。ライバルを合算タイムで2秒近くも突き放すというとんでもない速さを見せつけました。

しかし、BRP★Audi Mie RS3 LMSは序盤で足回りを損傷して戦線を去り、予選2番手だった45号車プリズマ☆イリヤ RS3 LMSがトップに浮上。今年のアウディ勢は一味違うというところを見せつけます。

ST-TCRクラスで注目だった新型シビックのTCRマシン。到着したばかりの新車で、たいしたテスト走行も行えぬままの鈴鹿 春の陣参戦で、予選こそ調子がつかめずアンダーステアに悩まされていましたが、それでも97号車Modulo CIVIC TCRが予選3番手は素晴らしいポジション。

F1経験者の中野信治選手、今年のGT300でModulo KENWOOD NSX GT3をドライブする大津弘樹選手、昨年はGT500のARTA NSX-GTをドライブした小林崇志選手、2003年のJGTCから2008年のスーパーGTまで自らのチームを率いて参戦していた植松忠雄 選手というドライバーラインナップに恥じぬポジションをModulo CIVIC TCRは手に入れました。

予選4番手だった10号車Racingline PERFORMANCE GOLF TCRは昨年の富士SUPER TEC10時間レースでポールtoウィンという快挙を成し遂げたチーム。3位浮上から一気に駆け上っていこうという意欲が走りにも現れます。

序盤のST-TCRクラスのハイライトは、そのModilo CIVICとGOLF TCRの激しい2位争い。はるか前を行くプリズマ☆イリアAUDIに追いつかんばかりの勢いのまま続くドッグファイトは手に汗握る大一番の様相。

しかし6周目にリアタイヤに振動の出始めたプリズマ☆イリアAUDIがタイヤ交換のためにピットイン。ここでModulo CIVICがトップに浮上。この先、いかに逃げ切るかが勝負を決します。特に、今回のレースで初めて導入された、コース上でアクシデントがあった場合に全コースで速度制限がなされた上に追い越し禁止となるというフルコースイエローという制度をいかにうまく使っていくかが勝敗を決するポイントともなります。

折り返しともいえる3時間前後に他のチームにも異変が訪れます。75号車m-1 CARFACTORY RS3 LMSが3時間半で、96号車B-MAX Engineering CIVIC TCRが3時間で戦線を離脱。生き残りの4台がスタートから5時間後の17時20分のゴールへ向けて爆走を続けていきます。

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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