駐車したい場所に近づいたら、センターコンソールにある「プロパイロット パーキング」スイッチ(P AUTOの印があるスイッチ)を押してシステムを起動、車両が検知した駐車スペースをナビ画面で確認後、「駐車開始」ボタンを押して、ふたたび「プロパイロット パーキング」スイッチを駐車完了まで押し続けるだけというのが、リーフにおける作業。これだけで、自動的に前進・後退を切り替え、ステアリング操作を行ない、Pレンジに入れて、パーキングブレーキまでかけてくれます。こうした一連の動作が可能になった点について、浅見さんは次のように言います。
「すべての操作を自動化するためには、操作系すべてのバイワイヤ化(電気信号化)が必須でした。リーフについてはステアリング、ブレーキ・アクセル、シフト、電動パーキングブレーキといずれもバイワイヤとなっていることで、ボタン一つでの操作が可能になったのです」
しかし、こうした機能を実現するにしても多大なコストがかかってしまってはユーザーからすると手の届かないものになってしまいます。その点について質問するとそうではないと教えてくれました。
「カメラと超音波センサー(ソナー)をフュージョンさせていることがプロパイロット パーキングの特徴ですが、いずれのセンサーも珍しいものではありません。カメラはアラウンドビューモニターで実績のあるものですし、超音波センサーも広く使われているものです。ちなみにカメラは前後左右4か所に設置、超音波センサーは前後8個と左右4個の合計12個を使っています。このカメラと最新の画像認識技術によって駐車枠を自動検出することができました。また、超音波センサーにより周囲のクルマや歩行者なども認識していますので衝突が予測されるときには自動ブレーキをかけて停車することもできます」
ということで、運転に自信のないドライバーには強い味方となってくれる「プロパイロット パーキング」ですが、白線のない(かすれている)駐車場では位置を認識できないこともありますし、また夜間や雨天などでも位置を検知できないことがあるなど、まだまだすべてのシチュエーションをカバーするものではありません。そうした点については、今後の開発に期待したいところですが、それについてダメ出しするだけでなく、自動駐車機能の良さを引き出す操作も意識するとより便利に使える面もあるそうです。
「じつはプロパイロット パーキングをうまく利用するためのコツもあります。ディーラー(販売店)に説明できるスタッフがいると思いますので、そうしたスタッフの方にコツを伝授してもらいながら、実際に体感していただきたいと思います」
システムを開発した浅見さんから最後にアドバイスをいただきました。
(山本晋也)