まずは、コンパクトSUVを見てみましょう。新車の登録台数では圧倒的にリードしているトヨタ・C-HR。しかし残価率は68.1~74.3%と同じクラスのホンダ・ヴェゼル(74.3~77.9%)やマツダ・CX-3(70.1~77.9%)、スバルXV(73.9~77.6%)に負けています。これはC-HRの中古車が短期間に大量に市場に流通したことが影響しています。逆に言えば、C-HRの中古車は割安に購入できることになります。
続いてはミドルサイズSUVです。このクラスではトヨタ・ハリアーが強いブランド力で圧倒的な人気を誇っています。それを証明するかのように残価率も79.3~81.2%と驚異的な数字です。以前は新車購入時に大幅な値引きを行い、下取り相場が低くなると言われていたのがマツダですが、先代のCX-5より販売方法を改善し、大幅な値引きを行わなくなったことで現行型のCX-5の残価率は73.2~79.9%という高水準をキープしています。ハリアーには勝てませんが、同じクラスの中では高い水準となっています。
トヨタ・ハリアー、マツダ・CX-5に続いて高い残価率を示したのが三菱・アウトランダーのガソリン車で73.5~77.3%です。注目が集まるアウトランダーPHEVは高価格が災いしたのか、ガソリン車に比べると若干低めの70.2~74.7%となっています。
健闘が光るのがスバルアウトバック。2017年にマイナーチェンジを行いましたが、数少ないステーションワゴンのクロスオーバーモデルとして安定した人気があり、残価率も75.1~76.8%と高めです。一方、やや厳しいのが日産・エクストレイル。中古車の流通台数が多い20Xハイブリッドは残価率が64.5~68.7%と及第点の70%を唯一下回っています。
しかしこのエクストレイルもオーテック製のエクストリーマーXなどは残価率が高くなっていますので、そちらのグレードを選ぶと高いリセールバリューが期待できそうです。
同じ車種でもグレードやボディカラー、走行距離によって下取り価格は変化します。今回はモデルを揃えるために2017年式で統一していますが、年式が進めばこの価格差はどんどん大きくなっていきます。したがって安く、良い中古車を手に入れたいなら、残価率が高くなる人気の高いクルマはできるだけ外したほうが良いと言えるでしょう。
(萩原文博)