マツダはミニバンという、日本では「テッパン」のニーズがあるジャンルから撤退しました。その代わりとしてSUVへ資源を投入しクルマ作りを行うという姿勢になり、CXシリーズの充実が図られてきました。
しかしミニバンとSUVの違いとは一体なんでしょう? たしかに1ボックスタイプのボディはいかにもミニバンですが、マツダの初代MPVなどはボンネットのあるスタイリングでパッケージング的にはSUVでしたし、三菱のデリカシリーズはパッケージングこそミニバンや1ボックスと呼ばれるものですが、クルマの性能的にはSUVといっても間違いのない存在です。
ミニバンから撤退するというセンセーショナルな言葉は、マツダの心意気を表現したようなものだと私は考えます。ですので、マツダらしい躍動感にあふれるミニバン(のような性能を持った)をSUVとして作る……というのが回答で、その結果が3列シートレイアウトを採用したCX-8や北米中心で販売されているCX-9であると理解しています。
さて、そのCX-8です。ベースは前出のCX-9です。ホイールベースも2930mmとCX-9と同じ。ボディはCX-5と共通性を感じられ、全幅に関してはCX-5と同じ1840mmです。全長はCX-5よりも355mm長く、全高は40mm高くなっています。
この全長と全高が3列シートレイアウトを実現するためのベースということになります。
(文・写真:諸星陽一)