フェラーリの市販モデル開発を加速させる実験車両として、またセレブリティに許されたサーキットプログラムの専用マシンとして使われてきた「XX」シリーズの最新モデルFXX-K Evoが、イタリアでワールドプレミアされました。
公道走行もできなければ、専用プログラム以外のレース参加も不可という「FXX-K Evo」は、フェラーリの次世代モデルに採用されるテクノロジーを先行採用しているのが、最大の注目点。とくに、今回の見どころはエアロダイナミクスにあります。
非常に印象的な2枚翼のリアウイングなど、モータースポーツからフィードバックされた空力デバイスを与えることにより、ダウンフォース係数は従来比で23%も 向上しているといいます。具体的には、200km/hで発生するダウンフォースは640kg、最高速度域では830kgを超えるということです。
ミッドシップに搭載されるエンジンはバンク角65度、総排気量6262ccのV型12気筒で、エンジン単体での最高出力は860馬力。そこにF1譲りのテクノロジーであるHY-KERS(ハイブリッド)をプラスすることで、システム最高出力は1050馬力、最大トルクは750Nmと発表されています。
そのほか、F1テクノロジーに由来するトラクションコントロール、電子制御ディファレンシャルを搭載。サスペンションは磁性体を使ったダンパーシステムが採用されています。
2018/2019年のXXプログラムを担うフェラーリFXX-K Evo、いずれの年も9回のサーキットプログラムが予定されているということです。
(山本晋也)