【新車】「技術による先進」が具現化されたアウディ A7スポーツバックが登場

10月19日、新型アウディA7スポーツバックがドイツ本国で発表されました。アウディの最新モデルらしく、先進技術が多数搭載されています。

まず注目は「ダイナミックオールホイールステアリング」と呼ばれる4輪操舵システムの採用。ダイレクトでスポーティなレスポンスと高い走行安定性を両立し、俊敏性と快適性という相反する問題を解消したとしています。

ステアリングレシオは、アクティブステアリングシステムにより速度に応じて「9.5:1」から「16.5:1」まで可変制御。前輪にはストレインウェイブギヤ(ハーモニックドライブの1種)が採用され、ステアリング入力に応じてギヤレシオが調整される仕組み。

後輪はスピンドルドライブにより最大5°操舵を行うことが可能です。低速では後輪は前輪と反対の方向に操舵され、駐車時や市街地を走行している場合などにクルマの取り回し性を改善します。

ステアリングをフルロックすると回転径は1.1mも小さる一方で、60km/h以上の速度で走行している際には後輪は前輪と同じ方向に操舵され、直進性や車線変更時の操縦安定性を向上。アウディが主張するように、4輪操舵の機能性とフィーリングの両立がどこまで図られているか気になるところです。

さらに、スポーツディファレンシャルをオプション設定。リヤ2輪間の駆動トルクをアクティブに配分するシステムで、「ダイナミックオールホイールステアリング」や可変ダンパー、アダプティブエアサスペンションなどとともに、ECPにより一括制御されるという技術です。パワートレーンは、全車に新開発となる48のマイルドハイブリッドシステムを搭載。

2タイプのV6エンジンとの組み合わせでは48Vの主電源を採用し、リチウムイオンバッテリーとベルト駆動式のオルタネータースターター(BAS)の働きで、ブレーキング時には最大12kWという高いエネルギー回生を可能になるそうです。

55~160km/hの速度で走行しているときには、フリーホイーリングモードでエンジンを止めてコースティング(惰性走行)することができ、BASを介して再スタートもスムーズに行えるそう。

安全装備はもちろん、最新のものが満載されているほか、「Audi AIリモートパーキングパイロット」「Audi AIリモートガレージパイロット」を2018年のいずれかの時点から搭載される予定としています。

同機能により、クルマを自律的にパーキングスペースやガレージに駐車させたり、出したりすることが可能。ドライバーはクルマから降りた状態でも、スマートフォンのmyAudiアプリを介して機能をスタートさせることが可能。同機能では、クルマの周囲の環境を常時演算し、装備レベルによっては、最大5つのレーダーセンサー、5つのカメラ、12の超音波センサー、1つのレーザースキャナーが搭載されるそうです。

ほかにも、交差点アシストなどを含めた「Cityアシストパッケージ」、「Tourパッケージ」の3つのパッケージにを用意。「Tourパッケージ」には、燃料消費を抑えるドライビングスタイルをサポートするエフィシェンシーアシスタント、従来のアダプティブクルーズコントロール(ACC)に車線維持のためのステアリング介入機能を追加したアダプティブドライビングアシスタント(ADA)などのシステムが含まれます。

そのほか、すべてのドライバーアシスタンスシステムで、制御メカニズムが改善されているそうです。

新型アウディA7スポーツバックの日本での発売はアナウンスされていませんが、ネッカーズルムのアウディ工場で生産され、本国ドイツでは2018年2月末から販売が始まる予定。ベース価格は67,800ユーロです。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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