【スーパー耐久2017】最終戦岡山でデミオ・ディーゼルがクラス2連勝!マツダ車はクラス5連勝を達成

10月14〜15日に岡山国際サーキットで開催された「スーパー耐久シリーズ2017 第6戦 スーパー耐久レースin岡山」。

シリーズ最終戦となる15日の午前中に行われたST-4クラス、ST-5クラスのGr.2レース。ST-5クラスのデミオディーゼル「DXLアラゴスタNOPROデミオSKY-D」が富士10時間に引き続き、この岡山の3時間レースも優勝を飾り2連勝を達成! シリーズランキングも2位を獲得し、NDロードスターが好調なマツダ勢の中でもディーゼルという存在感を光らせました。

14日の予選ではドライ路面であったことからロードスター勢やホンダ・フィット勢が強く、デミオディーゼルは8番手のタイムでしたが、ポールポジションだったチームがペナルティーでタイム抹消されたためポジションが繰り上がり、ST-5クラスでは7番目のグリッドからのスタートとなります。

そして15日の決勝、朝8時過ぎにグリッドに並べられたころも雨が降りしきる完全なウエット路面。雨となればST-5クラスの主役はFF勢に傾くと予想したチームはある作戦に出ます。

スタート直後のドライバーチェンジ作戦。セカンドドライバーの梅田剛選手はグリッドウォークに参加せずにピットでドライバーチェンジの準備を万端に整えていました。

しかしウェット路面のためスタートがセイフティーカー(SC)スタートとなりピットクローズのタイミングがつかめないという状況。そして3周目にやっとSCがピットインするとようやく関 豊選手から梅田選手にドライバーチェンジのピットイン。

ドライ路面ではラップタイムでロードスター勢に3秒ほど及ばないデミオディーゼルですが、ウェットとなれば互角。そして燃費を考慮すればピットストップは1回でも充分で、差が開ききらない序盤のうちに義務として2回あるうちの1回のドライバーチェンジを行い、ロングスティントでライバルとの差を詰めていこうという作戦です。

その作戦通りライバル勢が1回目のピットインをする1時間前後にはポジションを7位前後に戻し、速いペースで周回を重ねていきます。

1時間35分を過ぎた頃、モスSコーナーでクラッシュがありSC導入。このSCのうちに急遽2回目の義務ピットインを行ってしまおうということで大慌てで井尻薫選手がスタンバイ、そしてドライバーチェンジ。ジャッキアップは行われましたがタイヤ交換はせず、給油だけでピットアウト。あまりにも素早いピットアウトはまるでSUPER GTのよう。

途中雨量も激しくなるなど先行のライバルには不利な条件もデミオディーゼルにとっては恐れるに足らず。義務ピットを全て消化したデミオディーゼルはチェッカーフラッグまで突っ走るのみ。そしてラスト40分になろうかというところでは3位まで浮上。

その時、2コーナー手前で多重クラッシュが発生し、またもSCが導入。これで2位を走るライバルと一気に距離を縮めたのがデミオディーゼル。SC解除後から始まる激しい2位争いでライバルを下したデミオディーゼルはいよいよトップとの一騎打ち。

そのトップを走るのもまたデミオ。こちらはガソリン車のデミオ15MB「odula MAZDA DEMIO 15MB」。スーパー耐久では初めてとなるデミオのディーゼルvsガソリンによるトップ争い。このトップ争いは、0.5秒差という近距離接近戦を5周以上にわたって繰り広げ、ラスト10分にデミオ15MBが軽くミスをした瞬間をデミオディーゼルが逃さずオーバーテイク!

そして3時間後のチェッカーフラッグをST-5クラスとして最初にくぐり抜けたデミオディーゼル「DXLアラゴスタNOPROデミオSKY-D」は前戦の富士10時間に続き2連勝を達成。マツダとしてはNDロードスター3連勝のあとのデミオディーゼル2連勝で、今期のスーパー耐久5連勝という記録を打ち立てました。

優勝のデミオディーゼル、2位のデミオ15MBとデミオが1,2フィニッシュという快挙も達成。最終戦もマツダ強しとなった2017年のスーパー耐久ST-5クラス。来年のスーパー耐久は、どんな展開を見せてくれるのでしょうか。

(写真・文:松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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