パナソニックがスペイン企業と共同開発した「電子インナーミラー」がトヨタの純正部品に採用

電気大手のパナソニックと、同社系のオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、スペイン企業との国際協業で「電子インナーミラー」を開発、トヨタの純正部品に採用されたと発表しました。

今回、パナソニックが「電子インナーミラー」の開発で協業したのは、スペインの自動車部品・システムサプライヤーであるフィコサ・インターナショナルS.A.(以下、フィコサ社)で、2017年9月より量産を開始するとのことです。

この「電子インナーミラー」は、フィコサ社の持つミラー技術とパナソニックのカメラや液晶の技術を融合させて開発したもので、広角レンズを搭載したカメラで後方の広い範囲を映すことができ、通常のインナーミラーに比べ視野角が広く、またリヤウィンドウの内側に配置したカメラからの映像を表示するため、後席の同乗者がインナーミラーに映り込まず、後方を確認しやすいというメリットがあります。

パナソニックの「電子インナーミラー」の特徴は次の3点です。

1.広角レンズ搭載のカメラにより、後方の視野が広く視認性が向上

従来のインナーミラーより後方の水平方向に広がった広い範囲の画像を映すことができるため、見えにくかった斜め後ろの様子も見やすくなっています。ただし、パナソニックでは、電子インナーミラーにも死角があることに注意が必要で、特に後退時には直接後方確認してほしいとしています。

2.カメラをリヤウィンドウに配置することで、後席の同乗者等が映り込まず死角を低減

車両の後方を監視するカメラがリヤウィンドウの内側に取り付けられており、後方の死角を低減するとともに、従来のインナーミラーのように、同乗者や車内の様子が映り込まないため、後方の視界を遮りることがありません。

3.高感度カメラ技術により、夜間やトンネル内でもクリアな視界を提供

夜間走行やトンネル内でも見やすい映像を得られる高感度カメラを搭載。さらに、ヘッドランプに連動して夜間モードに切り替わるので、従来のインナーミラーでは後続車のヘッドランプがまぶしかった夜間の後方視界も見やすい映像で見ることができます。

パナソニックでは今後も車載分野の製品開発を強化する方針で、フィコサ社に出資して国際協業を一層強化し、協業開発商品の拡大と受注獲得の増加を目指しています。

(山内 博・画像:パナソニック)