ハンディがあっても運転をあきらめない!ハンドドライブキットの「今」を国際福祉機器展で見た

そんな青木さんのレース活動のフィードバックなどから生まれたのがGuidosimplexの最新型のハンドドライブキット。

これまではアクセルとブレーキをレバー操作で行っていましたが、この「背面リング」モデルはハンドルの裏に装着されたリングを動かすことによってアクセル操作が可能となっています。ブレーキは左下のレバーで操作します。

特にスポーツタイプのクルマとの相性を考えたというこのハンドドライブキットは、アクセル操作だけであればハンドルを両手で保持でき、これまでのハンドドライブキットに比べて操作性と安全性が飛躍的に向上したとのこと。

こちらの「前面リング」タイプはカジュアルドライビングに向いているというもので、ハンドル前面のリングでアクセル操作ができます。

握りこむことでアクセルが開いていきます。そして離すとアクセルが全閉。

背面リングタイプも前面リングタイプもアクセルの微妙な調整を可能とするために開発されているので、高速道路や一般道はもとより、車庫入れなどの低速域の速度調整もしやすくなっているそうです。

国際福祉機器展には車椅子利用者のためのクルマが多数展示されていましたが、それらはどちらかというと「乗せてもらう」というもの。ハンドドライブキットは自ら積極的に運転する「乗る」ためのものとして、これからも進化を続けていくことでしょう。

(写真・文:松永和浩)

この記事の著者

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松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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