マツダ・CX-3の2.0Lガソリンエンジンモデルの走りは期待以上!!

2017年6月末に発売されたマツダ・CX-3のガソリンエンジン仕様。1.5Lディーゼルエンジンに引けを取らない走りを確保するため、1.5Lガソリンではなく2.0Lガソリンを投入しています。

スペックは148ps/6000rpm、192Nm/2800rpmで、マツダCX-5の2.0Lガソリンエンジンの155ps/6000rpm、196Nm/4000rpmからのデチューン版に思えますが、最大トルクの発生回転数が1200rpmも低くなっています。さらに、CX-3のガソリン仕様は、1240kg(4WDは1300kg)という車両重量ですから、148ps/192Nmというスペックは十二分といえそう。

「飛び出し感」のない素直な電子制御スロットルに感心しながら走り出すと、ディーゼルエンジン仕様よりも30kg軽いこともあって軽快感が際立ちます。

ディーゼルエンジンの押し出されるようなトルク感はなくても、踏んだら踏んだ分だけスムーズに速度を乗せていきますから、運転がしやすく、郊外路や高速道路でも軽やかなフットワークを披露してくれます。

 

なお、ガソリンエンジン仕様は、スプリングのバネレートを低く(柔らかく)し、空気圧も落としているそうです。なお、空気圧はディーゼルの前輪が250kpa、後輪が230kPaでしたが、ガソリンは前輪が230kPa、後輪が210kPaとなっています。

こうした足まわりの違いもあってか乗り味もディーゼルよりもソフトな印象で、「街中中心の短距離が多い」というガソリン仕様のニーズに合うセッティングといえそう。

それでも、高速道路に入ると印象的なのが直進安定性の高さで、ボディがふらつくことなく正確なハンドリングを享受できるなど、CX-3の良さはガソリン車でも健在。

ただし、CX-3の特徴である小さめのストローク感はディーゼルと大差はなく、とくに低速域や細かな凹凸がある路面では上下動を中心した揺れが少し気になります。一方で、大きな入力に対してはうまく減衰されているように感じます。過去2年半で4回の改良(2017年の今回も含む)という成果が出ているのでしょう。

1.5Lディーゼルエンジン仕様と乗り比べると、ディーゼルらしいトルクフルな走りは確かに魅力的で、長距離を走る機会が多いのなら迷わず選択したいところ。街中中心で年間5000km程度しか走らないのであれば、ガソリン仕様を選ぶ手は、扱いやすさからも価格面からも十二分にありそうです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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