環境対応車や自動運転車など、技術開発の負担が増すなか、経産省(経済産業省)が自動車業界・大学などと連携して、自動車開発の効率化を図るべく動き出しています。
新車開発の期間短縮に向けた「試作レス」開発が進んでおり、燃費や走行性能に関する高度なシミュレーション技術の必要性から、大学や研究機関との共同研究が増加。
しかしながら、自動車メーカーごとにシミュレーション方式が異なっており、大学や研究機関による最新の研究成果を自動車業界に展開するにあたり、方式の共通化が求められているそうです。
日経新聞によると、自動車メーカーから開発委託を受ける部品メーカー側にとっても同様で、方式を共通化すれば複数の完成車メーカーに合わせる手間が減り、提案力の強化や新規参入などに繋がるといいます。
経産省が動き出した背景には、産学官連携により、国際競争力を高める狙いが有るようで、トヨタ、日産、ホンダ、パナソニック、三菱電機など10社と共に、今年の3月、シミュレーションに関するガイドラインを作成に着手。
2020年度にも新たなシミュレーション方式をまとめ、共通化を促す計画のようで、これが実現すれば、新車の開発期間を約20%短縮できる可能性があるとしています。
今回の産学官連携により、従来以上に高度なシミュレーション技術の確立も期待できることから、今後の動向が大いに注目されます。
(Avanti Yasunori・画像:TOYOTA)