試乗コースは、郊外路やワインディングを中心としたオンロード、そして広々したスキー場のゲレンデで、狭い悪路を走らせる機会はありませんでしたが、おそらく狭い場所でも持ち前の取り回しの良さで、見た目よりも運転しやすいはず。
オンロードでは、先代のディスカバリー4よりもしなやかさが増し、背と着座位置が高めに感じる以外は、最新の都市型SUVと遜色ないか、それ以上のしなやかな乗り味を享受できます。エアサスペンションの快適性に加えて、ストローク感があり、コーナーではそれなりにロールを許しますが、コントロールしやすい美点も印象的。
オフロードでは、「テレインレスポンス2」をオートに入れておけば、ゲレンデ程度の凹凸は難なくクリアしていきます。
ボディの85%にアルミニウムを採用した軽量モノコック構造を採用し、先代から360kgも軽量化されているそうですが、乗り心地の面などに、軽くなった欠点はほとんど顔を出しません。
軽快なフットワーク、そしてスムーズな出だしや、いざという時に力強い加速を披露してくれるのは、3.0LのV6ガソリンスーパーチャージャー(340ps/450Nm)も、新たに設定された3.0LのV6ディーゼルターボ(258ps/600Nm)も同様。とくに、V6ディーゼルターボの圧倒的といえる静粛性の高さ、そして中低速域のトルク感はインパクト大。
痛快といえるスーパーチャージャーの独特なサウンドも捨てがたい魅力ではあるものの、給油の回数が減る(航続距離)も考慮し、価格差も20万円と比較的小さいことを考えると「買い」なのはディーゼルターボでしょう。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)