ただし、「アクティブインフォディスプレイ」は、メーターパネルのサイズ自体は変わっていないようで、アナログからデジタル化されたというもの。アウディのように地図の縮尺を変えるなどの多彩な機能は盛り込まれていません。このあたりから見てもフルモデルチェンジではなく、マイナーチェンジの範囲内というのが分かります。
一方で、大型化された「ディスカバープロ」は視認性が高まり、インパネ全体の質感向上にも寄与しています。手や指先のジェスチャーで操作できるなど、操作性にも新機能が盛り込まれていますが、ジェスチャーの操作に慣れを要するのはこの手のユーザーインターフェースでは仕方ないところかもしれません。
また、ハードキーが減ってすっきりしたディスプレイになっていますが、操作の回数が増える(階層が深くなる)傾向にありそうです。
装備面で見逃せないのは、アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストに加えて、渋滞時追従支援システムの「トラフィックアシスト」の追加でしょう。
パサートやティグアンなどの上級モデルでも同じですが、いままで65km/h以上で作動していた車線維持機能が低速を含めた全車速域で作動するようになました。箱根の曲がりくねった山道でも実用に足る精度を実現しており、長距離ドライブなどでは重宝しそう。
ほかにも、ウインカーを出すと斜め前方を照らし、歩行者などを視認しやすくなる「スタティックコーナリングライト」や、ハイ/ロービーム自動切り替えの「ダイナミックライトアシスト(対向車、先行車の幻惑を防ぐ機能付き)」、後退時の衝突を防ぐ「リヤトラフィックアラート」なども追加されていて(オプション含む)、とくに「コンフォートライン」以上は安全装備の充実ぶりが目を惹きます。
(文/写真 塚田勝弘)