走り出しの良さを重視。速くはないが「普通に使えるエコカー」【新型ミラ・イース公道試乗】

さて、ユーザーはこうした「燃費スペシャル軽自動車」についてどう評価しているのでしょう。

イニシャル、ランニングコストを抑えるという重要な役割は不変ながらも、燃費を重視しすぎるあまりに「走りについても高めて欲しい」、ダウンサイザーからは「今のクルマよりも装備や質感が落ちるのは嫌」、「安全性も重要」と言った声が多いそうです。

そういった声に応え、新型「ミラ・イース」は、カタログ燃費は先代後期の最高値35.2km/Lから不変としながら、走り出しの良さを重視。実際に街中から高速道路まで速さはないものの、「遅いな」とストレスを覚えることは皆無でした。

車両全体で80kgの軽量化が果たされただけあって、先代でも十分に軽かったボディがより軽快なのも印象的。街中で使う分には「これで必要十分」と実感させてくれる動力性能で、高速道路も法定速度内であればパワー感も納得できる範囲といえそう。

とはいえ高速道路では、100km/h手前からやや音・振動ともに大きめで、直進安定性ももう少しといったところです。しかし、高い動的質感をこの価格帯に求めるのは酷。毎日のアシとして使うには十分な性能、質感が確保されています。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる