さて、ユーザーはこうした「燃費スペシャル軽自動車」についてどう評価しているのでしょう。
イニシャル、ランニングコストを抑えるという重要な役割は不変ながらも、燃費を重視しすぎるあまりに「走りについても高めて欲しい」、ダウンサイザーからは「今のクルマよりも装備や質感が落ちるのは嫌」、「安全性も重要」と言った声が多いそうです。
そういった声に応え、新型「ミラ・イース」は、カタログ燃費は先代後期の最高値35.2km/Lから不変としながら、走り出しの良さを重視。実際に街中から高速道路まで速さはないものの、「遅いな」とストレスを覚えることは皆無でした。
車両全体で80kgの軽量化が果たされただけあって、先代でも十分に軽かったボディがより軽快なのも印象的。街中で使う分には「これで必要十分」と実感させてくれる動力性能で、高速道路も法定速度内であればパワー感も納得できる範囲といえそう。
とはいえ高速道路では、100km/h手前からやや音・振動ともに大きめで、直進安定性ももう少しといったところです。しかし、高い動的質感をこの価格帯に求めるのは酷。毎日のアシとして使うには十分な性能、質感が確保されています。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)