好きなクルマを選べる楽しみを。光岡自動車が「後付け・原状復帰可能」な回転式シートを導入

福祉車両には、助手席側の回転式シート、スロープを使って荷室側から車イスごと乗降できるタイプや電動昇降式リフトが備わったタイプなど様々ありますが、福祉車両と普通のクルマの両立は容易ではありません。

日本ではシートやハンドルに補助的機能を追加し、利用者の利性、機能性を高めるために改造された車両は福祉車両として分類されるのが一般的で、自動車メーカーは福祉車両専用のラインナップを揃えて販売しているのが主流となっています。

一方で、ホンダはN-BOXプラスやフリードプラスなどで、ノーマル車と福祉車両の両立化を実質的に図るなど(車いす仕様車などもあり)、各自動車メーカーの注力、工夫も年々高まっています。

今回、光岡自動車が導入する回転式シートは「自由なクルマ選びを楽しめる環境づくり」を目的に掲げ、6月22日から主力モデルであるコンパクトセダンの「Viewt(ビュート)」に導入されます。

同社が導入するのは、スウェーデンに本社があるオートアダプト社製の回転式シートで、日本の輸入元であるオフィス清水と業務提携契約を締結し、導入されるもの。

ビュートの全グレードに装着できるだけでなく、不要になった際は、取り外して元の状態に戻せるのが最大の特徴です。車両、回転式シートともにリユースが可能。

「怪我が原因で愛車を手放さなければいけなくなった」、「自分の条件に合った補助機能を持ち合わせた魅力的なクルマが見当たらない」、「親子世代でクルマを引き継ぎたい」など、過去に光岡自動車が集めたオーナーの声により、多種多様の車両に取り付け可能な「オートアダプト社」製の回転式シートの導入となったそうです。

オートアダプト製回転式シートの受付は光岡自動車の東京ショールームで開始。回転式シートの導入はあくまで一例で、今後も同社では、より自由なクルマ選びが楽しめる環境づくりを目的として、ステアリングデバイスや、アクセリング&ブレーキレバーなどの導入を進めていくほか、「Ryugi(リューギ)」、「Galue」(ガリュー)」などへの拡充も図る予定としています。

「ビュート」用回転式シートの価格は、手動式が64万8000円、電動式が84万2400円です。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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