シート一体型のセンターエアバッグをZFが開発。将来のモビリティに欠かせない理由とは?

新しく開発されたエアバッグは、センターコンソールの有無にかかわらず使用できるのが特徴。

背もたれの車体中央側、側面上部から展開されるため、センターコンソールがなくても乗員を正しい位置に保持できます。これにより、自分から遠い位置(ファーサイド)の衝突時、乗員が車内の中央に移動してしまうのを抑制し、前列の乗員に衝突するリスクを減らすことができるそうです。

同システムの責任者を務めるダーク・シュルツ氏は「ユーロNCAPは、2020年に新しい試験手順を導入することを検討しています。この新しい手順では、側面の耐衝撃性評価として、ファーサイドの衝突保護がますます重要になる見込み」と、「ファーサイド・センター・エアバッグ」の価値を語っています。

この新しいシステムでは、外部エアバッグ・テザーをリヤシート・フレームに取り付け、展開時にエアバッグを正しい位置に維持。また、小型で特殊な形状のエアバッグが採用されていて、乗員の肩部を受け止め、上肢や頭部が極端に内側に動いてインテリア部品やほかの乗員に衝突しないように、必要となる硬さを高圧によって得ているとのこと。

ZFは、今回の新しいコンセプトによって、より多様な乗員や衝突状況に対応可能で、将来、安全性に関して5つ星評価を得るために役立つとしています。

(塚田勝弘)

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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