【ダイハツ・ミライース試乗】カタログ燃費競争を捨て、実質とユーザーに近づいた本当のエコ軽カー

2011年にデビューした初代ミライースはハイブリッド技術や電動車技術を使わずに高い燃費性能を確保したモデルでした。コストをかけないことも重視され、79万5000円~という価格設定で、人気モデルとなりました。

軽自動車をはじめとした小さなクルマでは燃費が重視されます。そのためモデルチェンジごとに燃費が向上され、ライバルに差を付け、セールスポイントとすることが多いのですが、今回のミライースは燃費が先代と同様の35.2km/Lという値で登場しました。ミライースは燃費を向上することをやめてしまったのでしょうか? いえいえそれはちょっと違います。ミライースは燃費を向上できるだけのさまざまなことを行い、それを燃費以外の走行性能に振り分けたのです。

なによりも重視されたのは軽量化でした。ボディ骨格の改良や足まわりの軽量化、ボディの樹脂パーツの積極的な採用などで先代モデルに比べると約80kgの軽量化が行われています。しかし、先代モデルの資料を見ると、そこには60kgの軽量化と書かれています。軽自動車という限られたサイズのなかで2世代で140kgもの軽量化が行われているのはちょっと驚きです。

またボディの各部は徹底して空力が追求され、ボディデザインで空気抵抗を大幅に低減することを行っています。もちろんエンジンやミッションなども改良されました。さらに自動ブレーキ関係についても進化。緊急ブレーキはもちろん、前後誤発進防止機能、オートハイビーム機構、コーナーセンサーなどが最廉価版以外に標準装備となります。

(諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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