ジェイテクトが低トルク・耐摩耗性を向上させたテーパードローラーハブユニットを開発

「Koyo」ブランドで軸受事業を展開するジェイテクトは、自動車のホイールを支える軸受であるボールハブユニット(B-HUB)について、低トルク化・耐摩耗性を向上させたホイール用テーパードローラーハブユニット(T-HUB)を開発したと発表しました。

T-HUBは、ピックアップトラックやフルサイズSUVのような大型車に適したハブユニットで、同社の「LFT(Low Friction Torque)」シリーズに属し、新開発品は低トルク化で燃費向上に効果があり、寒冷地での車両輸送時に発生する摩耗が大幅に減少しているということです。

この新開発品の第1の特徴である低トルク化は、新開発の低粘度グリースを採用したこと、シール形状にダブルアキシアルシールを採用してシール性と低トルク性を両立したことで達成されました。

次に、寒冷地での車両輸送時の耐摩耗性能向上については、ロシア・北欧など極寒環境では、列車で完成車を輸送する際、レールの継ぎ目からの振動でHUBの軌道面が摩耗する現象がありました。

そこで、グリースの添加剤配合を低温環境に適した配合とし、基油の低温性を向上させることで、完成車を列車輸送する際の振動によるHUBの軌道面摩耗を従来品比で40%低減しています。

ジェイテクトでは、このT-HUBをLFTシリーズの新製品として2019年5月から量産を開始し、2021年度の売上目標を70億円に設定して、自動車メーカー向けにグローバルに拡販したいとしています。

(山内 博・画像:ジェイテクト)