いまや忘れられてしまった自主規制かもしれませんが、かつて国産車には「280馬力規制」と呼ばれるエンジン最高出力への縛りがありました。
その第一号(きっかけ?)となったのが、専用開発の3.0リッターV6ツインターボエンジンを積んだフェアレディZだったのです。
車両型式から「Z32」と呼ばれる4代目フェアレディZは、3.0リッターV6 DOHCの『VG30』型エンジンを積んでいました。NA仕様とターボ仕様があり、ターボ仕様の最高出力は280馬力。ちなみにNA仕様でも230馬力でした。
デビューは1989年、そこから2000年まで生産されたロングライフのモデルで、その途中にはオープンボディの「コンバーチブル」も追加されています。
また、この時代までのフェアレディZは、クーペに2シーターと2+2(4人乗り)が設定されているのが常でした。Bピラーから後ろの雰囲気が異なるので見比べれば違いは明らかでしょう。わかりづらいときは、フューエルリッドの位置がリアタイヤの前にあるか(2シーター)、後ろにあるか(2+2)で遠目にも判断できます。
余談ですが、Z32フェアレディZのヘッドライトは、のちにランボルギーニが流用したほど。その目力はスーパーカーの迫力を持っていたことも伝説になっています。
(山本晋也)