【新型インプレッサ1.6L公道試乗】インプレッサに追加された1.6Lモデルは、街中ならパワー不足を感じさせない?

FF同士(1.6i-L EyeSightと2.0i-L EyeSight)で比較すると、1.6Lと2.0Lの間には17万円強の差があります。この価格差なら2.0Lをチョイスしたいところ。ただし、予算をできる限り抑えたいのなら確かに迷いそうです。

試乗車はFFではなく、2WDよりも重量が60kg重くなる4WD(1.6i-L EyeSight)で、ポート噴射の1.6L 4気筒NAエンジンは、115ps/6200rpm、148Nm/3600rpmというスペック。なお、2.0Lは154ps/6000rpm、196Nm/4000rpmです。

1.6Lの4WDは1360kgという車両重量で、2.0Lの4WDよりもわずか10kg軽いだけで、軽さは期待できません。しかし、街中から走り出すと、とくにトルクやパワー不足を抱かせるシーンはなく正直「これで十分」と感じさせます。

高速道路への合流時などはもっとトルク感もパンチ力も欲しくなりますし、上り坂が続くワインディングでは意識して強めにアクセルを踏み込まないとリズムに乗って走るのが難しい印象を受けます。

ただし、高速道路でも巡航に入ってしまえばCVTならではの「音ばかり大きくなって速度が付いてこない」という悪癖も感じさせませんし、何よりもスバル自慢の「EyeSight」の機能のひとつである全車速追従機能付のACC(アダプティブクルーズコントロール)を使えば、パワートレーン由来の音は高まりますが、ペダル操作で疲れることはありません。

また、パドルシフトも全車に用意されていますから山道などでメリハリのある走りも引き出せます。

さらに、現行インプレッサの美点である静粛性の高さにより、先述したように巡航状態(法定速度内で)になってしまえばノイズ面の心配も不要という印象。

高速道路のロングドライブも含めておとなしく走るのであれば大きな不満はありませんが、アグレッシブなスタイリングが身上のインプレッサから想像すると1.6Lだと迫力不足なのも確かです。

街中中心で高速道路もそんなに吹っ飛ばさないのであれば1.6Lでも不足はなし、荷物を満載して長距離移動をする機会が多いのなら2.0Lを選んでおいた方が無難でしょう。

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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