【覚えてますcar】タイムマシーンで運ばれてきた? 斬新すぎるスタイルの「日産NXクーペ」

1990年1月、日産が同社の量販モデル(当時)であった「サニー」をフルモデルチェンジ、そのバリエーションとして生み出されたのが「(サニー)NXクーペ」です。

車台やパワートレイン(1.5~1.8リッターエンジン)はサニーと共通ですが、サニーというベーシックモデルからは想像がつかないほどユニークなスタイリングを与えらたスペシャリティクーペ。北米で「セクレタリーカー」と呼ばれる小型クーペに仕上げられました。

このスタイリングが生まれた理由は、メインターゲットとなっていたのは北米市場のニーズに合わせたから。デザイン自体もカルフォルニアのスタジオが担当したということです。

グリルレスのフロントマスクやサイドウインドウなど「フェアレディZ(Z32 型)」の妹分といったムードも持っています。そもそもNXという名前は、ZX(フェアレディZ)、SX(日本では180SX)といったスペシャリティクーペの流れにあることを示していますから、それも当然です。

写真の個体にも装着されているTバールーフが設定されていたのも、そうしたキャラクターをアピールしていたといえるのではないでしょうか。

デビュー当時のテレビCMで流れた「タイムマシンかもしれない。」というキャッチコピーが、スタイリングとマッチしていて話題になったことも記憶に残る一台です。

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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