2月23日に発表されたのは、2017年4月1日付けで西川廣人氏(さいかわ ひろと)が社長兼最高経営責任者(CEO)に就任するという人事。これは、現社長のカルロス・ゴーン氏の提案に基づいたものだそうで、日産の取締役会が決定。
気になるのは2017年6月の定時株主総会終結をもって任期満了となるゴーン氏の動向ですが、引き続き代表権のある取締役会長を務め、再任取締役候補として本総会に付議される予定だそうです。
社長交代の背景には、先述したようにルノー・日産連合に新たに三菱自動車が加わったことがあるとのこと。自動車業界トップレベルの規模のグループに拡大したアライアンスを率いることになったゴーン氏のマネジメント体制を受け、準備・計画されたとしています。
アライアンス・パートナー3社の会長およびルノーのCEOであるゴーン氏は、アライアンスの会長兼CEOとして、さらにアライアンスの拡大と経営に集中し、パートナー各社のチャンスを最大化することに注力すると続けています。
ゴーン氏は、「18年間育ててきた日産のマネジメント層には、事業および戦略的な目標を達成する上で求められる能力と経験があると信じています。先に三菱自動車の取締役会長に就任したこと、そして次の日産の定時株主総会の開催を控えていることから、今こそ、西川廣人氏に日産のCEO職を引き継ぐのに適切な時期であると判断しました。私は引き続き日産の取締役会長として、またルノー・日産・三菱自動車のアライアンスの枠組みの中で、監督・指導を行っていきます」というコメントを発表。
ルノー・日産そして三菱自動車の傘下入りにより、アライアンスの1000万台規模が見えてきただけに、カルロス・ゴーン氏の役割は新たな局面に突入したといえそうです。
(塚田勝弘)