BREEZE10は先行する産業無人ヘリコプターで培った自動航行技術を応用し、GPSの位置情報を利用した自動航行を行います。折りたたみ式のアンテナなど調査に必要となる付属機器を含めても、全長3.2m×幅1.2mとワンボックスカーに収まるコンパクトな艇体です。
リチウムイオン電池と小型発電機の組み合わせにより、連続約6時間の運用・航行が可能で、測量現場の環境に応じてプログラム自動航行モード、コントローラー操作による遠隔操縦モード、そして1名が乗船しての操縦モードの切り替えが可能です。
BREEZE10に搭載された発電機から電気を供給するシステムは、すでに市販化されているEVオートバイや研究中である燃料電池オートバイの経験が活きているそうです。ヤマハは自動無人観測艇を長年続けていて、2010年に横浜で開催されたAPECでは開発実験中の無人艇が海上警備用に配備されていました。
このBREEZE10の自動航行システムはクルマへの転用は可能かどうかと聞いていると、クルマはGPSだけでは自動走行はできず、カメラによる画像認識やミリ波レーダーなど色々な技術の組み合わせによって実現できるそうなので「自動走行するためのコア技術の1つとして転用は可能と考えています」とのことでした。
旅客機やヘリコプターなどの航空機、そしてボートと、すでに自動航行は実用化されています。こういった先行する技術が応用され、クルマの自動運転が実用化されていくのでしょう。
(萩原文博)