新型プリウスPHVの太陽光でも走る「ソーラー充電システム(約28万円)」で元は取れる? 洗車機は使える?

そして、もうひとつが「ソーラー充電システム」。購入を検討されている方には、一番気になる充電方法ではないでしょうか?

ルーフにソーラーパネルを装着するのは、キャンピングカーでお馴染みになりつつありますが、この場合はごく一部をのぞきサブバッテリーへの充電に使用するのが一般的。なお、その一部とは軽自動車のEVにソーラーパネルを装着したモデルなどがあり、すでに旅を楽しんでいる方もいらっしゃいます。

量産車では世界初となる新型プリウスPHVのソーラー充電は、駐車中に駆動用バッテリーに充電するシステムで、最大約6.1km/日(平均で約2.9km/日)の走行分の電力量を充電できるというもの。なお、走行中は補機バッテリーの消費を補い燃費向上に貢献するそうです。

青空駐車が前提で、平均で約2.9km/日となると実用上は「要らない」という結論になりそう。しかも、ソーラー充電システムは、2グレード構成(ナビパッケージを含めると4グレード)のうち、安い方のS系にしかメーカーオプション設定されていません。

A系にあってS系にない主な装備は、17インチタイヤの未設定(A系はメーカーオプション設定)、オートワイパー、ブラインドスポットモニター、インテリジェントクリアランスソナー、シンプルインテリジェントパーキングアシスト、先読みエコドライブ(先読み減速支援)、カラーヘッドアップディスプレイ、電動ランバーサポート、おくだけ充電などとなっています。

S系のみに設定される28万800円のメーカーオプション「ソーラー充電システム」。価格はこれでも相当頑張ったと思われますが、「元が取れる、取れない」の実利で考えずに、「どれくらい充電したかな?」など、興味半分で判断する人も多そう。上級仕様のA系に設定していないことも考えると、トヨタもまずは様子見でしょうか。

なお、ソーラー充電システムについて、発表会での質疑応答では、洗車機や雹(ひょう)などの過酷な条件にも対応できるように多様な評価をしていて「使える」と答えています。

(文/塚田勝弘 写真/前田惠介、塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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