同じガソリンエンジン車で改良前、改良後モデルを乗り比べて驚いたのは、車格が1ランク上に感じられるほど静かになったこと。
「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」など、ディーゼルエンジンの改良点に注目が集まりがちですが、今回のデミオの改良点は、エンジンと車両後方からの高周波ノイズの低減が大きなテーマのひとつ。
エンジンの高周波音対策として、ボンネットインシュレーター、エンジンルームのインジケーター、ダッシュインシュレーターに吸音材が追加されています。さらに、ガソリンエンジン仕様には、2015年にディーゼル車に採用されたフロントの遮音ガラスも用意。
また、ハッチバックはリヤにバルクヘッドを持たないため、後方から高周波のノイズが侵入しやすいですが、リフトゲームトリムとトランクサイドトリムに吸音材を追加。さらに、リヤパッケージトレイやFF車にはスペアタイヤパンに制振材も新たに設定されるといった入念な対策が施されています。
新旧デミオを乗り比べるまでは、正直旧型でも十分では? と思っていました。しかし、同じコースで試乗すると、静粛性の高さやより自然なハンドリングなどにより、新型は明らかに洗練され、上質になっています。
さらに、新型デミオはドアの閉まり音にもこだわり、リヤドアを閉めた際の音のしっかり感を強調するなど、細部にまで徹底されています。
ガソリン車のみ、また同条件下で乗り比べたわけではない、という多くの前提付きではあるものの、静粛性の高さは国産のライバルだけでなく、輸入Bセグメントを含めてもデミオが頭ひとつ抜きんでていると言えるのはでないでしょうか。
(文/写真 塚田勝弘)