疑似10速モードを持つ、新型レクサスLC500hの心臓部・マルチステージハイブリッド

トヨタの新世代アーキテクチャ「TNGA」。そのパワートレイン・シリーズについての発表会場には、間もなく発表となるレクサスLC500hに搭載される『マルチステージハイブリッド』のコアとなる、縦置きハイブリッドユニットのカットモデルが展示されていました。

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基本的な構造は従来の縦置きハイブリッド(クラウンなど)と同様で、エンジン側にジェネレーター、その隣に動力分割機構、そして駆動モーターを置いたレイアウトとなっています。

マルチステージたるゆえんは、その先(後ろ側)に2個のプラネタリギヤを置いていることです。このプラネタリギヤはワイドレンジの4速ATとして活用されています。

これまでも2段リダクションギヤ付きの縦置きハイブリッド(GS450hなど)はありましたが、それはモーターだけを減速するもので、エンジン出力についてはそのまま使っていました。

新しいマルチステージハイブリッドでは、エンジンと駆動モーターのミックスした出力を変速する仕組みとなっているのが違いです。

さらに、4速AT相当の多段変速機構に加えて、ジェネレーターとモーターによる電気式CVT機構の部分でも変速感を出すことにより、ドライバーにとっては10速ATに感じるような模擬変速制御も用意しているのもユニークな点。

ハイブリッドといっても、スポーツドライビングの楽しさを忘れていません。

また、トルクの太いモーターを4速ATにより減速することで発進駆動力を高めるなど、パフォーマンスにも優位性を示すということです。V6・3.5リッターと組み合わされたマルチステージハイブリッドのスタートダッシュは、V8・5.0リッターエンジンを超えるレベルに仕上がっているとのことで、今から期待が高まります。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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