社名を新たにした「Audi Sport GmbH」は、主に4つの事業で構成されているそうで、中核となるのはアウディR8やアウディRSモデルの開発、生産。さらに、「Audi Sportカスタマーレーシング」が顧客のモータースポーツ活動のサポートも行っています。
そのほかの分野では、「Audi exclusive」プログラムを介したユーザーの車両のカスタマイズの対応、「Audi Sportコレクション」として販売されているライフスタイル製品のプロデュースなども行っています。
アウディのハイパフォーマンスモデルのブランド名でもある「Audi Sport」は、新しいブランド名ではありますが、モータースポーツ、市販車の歴史は古く、1930年代、「シルバーアロー」の名で知られるアウトウニオン(アウディ、ホルヒ、ヴァンダラー、DKWの4社が合併した自動車連合)時代のレーシングカーをはじめ、1980年代には、フルタイム4輪駆動を採用した「Audi quattro」が、ラリーシーンを席巻したのはご存じのとおり。
WECとルマンから撤退しましたが、現在のアウディはDTM(ドイツツーリングカー選手権)、フォーミュラE、GTレースそしてツーリングカー選手権のTCRカテゴリーに参戦。こうしたレースで培われた技術をフィードバックした量産車として先述したアウディR8、Audi RSシリーズがあります。
今回紹介したAudi Sportに限らず、Mercedes-AMG GmbH、BMW M GmbH、ボルボ ポールスターなどの子会社、モータースポーツ、ハイパフォーマンスモデル部門は環境面(たとえばハイパフォーマンスな電動車両の開発など)も含めて今後その役割がさらに重要になるはずです。
(塚田勝弘)