インテリアでは、シート表皮にSTIロゴ入りの本革とウルトラスエードのコンビシートを採用し、ドアトリムにもオレンジとアイボリーを採用したカジュアルな雰囲気を演出しています。
エクテリアのオレンジのピンストライプをはじめとしたXVハイブリッドtSに漂うカジュアルな雰囲気。これに最初戸惑いを感じていましたが、試乗して納得できました。
XVハイブリッドtSはこれまでのSTIが販売したモデルとは異なり、たとえ、STIを知らない人が試乗して、乗り心地も良くカジュアルな雰囲気が良いと選んでくれることを願って開発されているのです。
従来のtSのターゲットユーザーはSTIというブランドに惚れ込み、走行性能を高める様々なチューニングメニューを見て満足そして納得して購入してくれる人たちです。しかし、このXVハイブリッドtSは、STIを知らない人でもtSの乗り心地を気に入って、運転しやすいと感じて購入して満足してもらえればいいということなのです。すなわちSTIがターゲットユーザーの拡大を狙った意欲作と呼べるクルマなのです。
STIの掲げる「強靱でしなやかな走り」は一見、スポーティな走りをイメージしがちですが、ドライバーのスキルに関わらず、意のままに操れるという点では従来のSTIファン以外にも受け入れられるでしょう。
なぜなら、ダンパーとボディの強化キットだけでも市販化してほしいとXVオーナーが思うほどの優れたパーツだったからです。これまでのtSモデルのリセールバリューの高さを考えたら、332万6400円はお値打ち価格といえます。
(文・萩原文博、撮影・小林和久)