それでも、よりパワフルな走りを期待する声もあるそうで、ゴルフGTIと同じ2.0Lの直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載することで走りを強化。組み合わされるトランスミッションは、デュアルクラッチトランスミッションで湿式の6速DSG。なお、最終減速比は同一ですが、2〜5速のギヤ比はパサート向けに調整されています。
ゴルフGTIよりもセダンは120kg、試乗車のワゴンは170kg重く、全長やホイールベースも長くなっていることもあって、ゴルフGTIのような軽快感、切れ味鋭い走りとはいえませんが、大きめのボディを軽々と加速させるパンチ力、そして下からのトルク感は1.4TSI(150ps/250Nm)とは明らかに次元が異なります。
235/40R19タイヤを履く足まわりは、フロントがマクファーソンストラット、リヤが4リンクと1.4L TSIと同じですが、アダプティブシャーシコントロールの「DCC」、電子制御ディファレンシャルロックの「XDS」が用意されています。
足まわりはパサートの1.4L TSIモデル同様に硬めで、「DCC」で走行モードを「コンフォート」にすればいくらか当たりが柔らかくなりますが、良くも悪くもフォルクスワーゲンらしい硬質な乗り味。
なお、パサートのベーシック仕様「TSI Trendline」にも今回試乗する機会がありましたが、乗り心地のバランスが最も良かったのは「TSI Trendline」でした。
日本では大型セダン、ワゴンに分類できるパサートに加わった「2.0TSI RLine」は、ワインディングや高速道路を走る機会が多い人の相棒に向くGT的なキャラとなっています。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)