一般的なミラーサイクルエンジンでは、吸気時にバルブを通常のエンジンよりも早めに閉じ、空気量を下げて(圧縮行程前段階の)膨張比をアップさせ燃費効率を高めています。
アウディではこれに、ターボチャージャーによる過給システムと可変バルブタイミング機構を組み合わせ、さらに圧縮比を高く設定することで、高出力と高燃費を両立させた「Bサイクル」と呼ばれる独自の燃焼方式を開発しました。
その効果は、JC08モード燃費が従来型の12.6km/Lから12.7km/Lとほとんど変わっていないにもかかわらず、従来型よりも出力は15kW/21ps、トルクは60Nmも増強されています。
これだけの出力アップを果たしながら燃費を維持できているのが、「Bサイクル」エンジンの特徴であり、スポーティモデルであるS4に最適なエンジンといえるでしょう。
過給方式も従来のスーパーチャージャーからターボチャージャーに変更することで、トルクとレスポンスを改善。シリンダーブロックをアルミ化するなどして、エンジン単体の重量を従来型比14kgも削減しているそう。