栃木県佐野市にあるスバル研究実験センター(SKC)にて、テックツアー第2弾としてメディア向けスバル歴史講座が開催されたので、クリッカー編集長の小林さんと共に参加させていただきました。
テックツアーは、スバルの歴史や取り組みをメディア向けにわかりやすく体感しながら学べるプログラム。第2弾となる今回は、歴史車試乗やプラットホーム進化確認試乗に加え、座学などもおこなわれました。
まず最初に、開発OBの大林眞悟さん、新型インプレッサPGM(プロジェクト・ジェネラル・マネージャー)阿部一博さん、スバル第一技術本部 車両研究実験第一部 部長の藤貫哲郎さんによるフリートーク【スバルプラットホーム50年の歴史】が行われました。
スバル1000について3人の思い入れでトークがスタート。スバルの水平対向エンジンの原点であるスバル1000は、今のスバルの「革新」の原点であり、阿部さんからは「軽くて楽しい!」といった感想も述べられ、この後の試乗にも期待が高まり、テンションがあがってしまいました!
続くレオーネからレガシィへの話では、レオーネは排ガス規制などによって、エンジニアの方々がとても苦労して、思い通りに作れなかった部分があったことや、スバル1000の良かった部分を伸ばせなかったという苦労話もとても興味深かったです。
初代レガシィでは、その思いを受け継ぎ、コスト度外視であった部分もあったそうで、会社として開発で赤字となった話には驚きました。しかし、そうした妥協を許さないクルマ作りをしたことで、初代レガシィは今でも語り継がれるほどの名車となったことは皆さんもご存じだと思います。
その後に登場したSVXやR2などの話も飛び出しましたが、次に興味深かったのは、なんといってもプラットフォームの話。
長きにわたり開発に携わった大林さんも「美しい!」と絶賛した新型インプレッサのSGP(スバル グローバル プラットフォーム)には、スバルの本気を感じる力作であると感じ、こちらも、この後の試乗にめちゃめちゃ期待しちゃいました!
2代目レガシィのマイナーチェンジで登場したGT-Bに280psのエンジンを搭載したとき、そのハイパワーを受け止める足としてビルシュタインのダンパーが装備されましたが、ビルシュタイン側からは、生産するにあたり工場の拡張などを伴うために、「何台売れるの?」という質問があったそう。スバルは「月販500台」と答えたそうですが、実際は月5000台も売れるほどの大ヒットとなったそうです。
続く座学では、スバル第一技術本部 車両研究総括部 部長 新田亮さんによる「人を中心とした安心と愉しさのクルマづくり」の歴史について語られました。
スバル360の開発では、わざわざ専用タイヤをブリジストンに発注したという開発秘話や、衝突実験がスバルP-1の時代から行われていたという話は、当時から他のメーカーより時代を先取りしたクルマづくりをしていたことを実感するお話でした。