■リーマンショックの大どんでん返しからの再出発
実は2代目NSX開発の道程には、大どんでん返しがありました。2008年のリーマンショックにより、世界規模で不況が勃発。ホンダも大打撃を受け、V10を搭載したFRベースの2代目NSXが、発売間近にも関わらず発売中止に追い込まれました。発売延期や限定販売ではなく発売中止ですから、大変な経営判断だったと思います。
そしてリーマンショック後も、東日本大震災やタイ水害、また円高に苦しめられつつも、ホンダは激変した社会を先取りすべく、全く新たに2代目NSXの開発を推進したのです。
再出発した新型NSXの開発責任者に任命されたテッド・クラウスLPLは、20代の若き頃に初代NSXに魅せられてホンダ入社を決意。クライスラーから転職したアメリカ人技術者です。自分の未来を決定付けた車種の開発責任者になるなんて、まさしくホンダドリームですよネ。