新型インプレッサは電子制御にもタイヤにも頼らず走りが良い!

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今回、自転車用のコースのためタイヤを鳴らしてはいけない(スキール音の禁止)というお達しがあり、クローズドコースだからといって飛ばしたわけではなく、あくまでもワインディングを模したロードコースという風に走らせています。

まずノーズの入り方でいえば、今回からステアリングギアレシオが13.0とクイックになったこともあり、非常にスパッと向きを変え始めるといった印象。かといって、リアタイヤのグリップを落として旋回の初期応答性を上げているというわけではありません。

コース内には、かなりタイトなコーナーもあり、ステアリングを切り増すようなアクションもしてみましたが、グイグイと曲がっていく様は、これまでのインプレッサとは桁違いといえるほどで、AWDとは思えないほど自然に曲がっていきます。

さらに、ボトムスピードも高く、四輪がしっかりと接地している印象を受けます。

とくに新プラットフォームになって変わった感じを受けるのはリア内輪の接地感で、脚を伸ばしてタイヤを押し付けているという感覚ではなく、そもそもロールを抑えることにより、きっちりと接地させているように感じるのです。

つまり、タイヤサイズや電子制御に頼らずとも、基本となるシャシー性能が高いという風に感じたのです。逆にいうと、今回のシチュエーションにおいて、「アクティブ・トルク・ベクタリング」と225幅の18インチタイヤを履くスポーティグレードのアドバンテージは実はそれほど感じませんでした。

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むしろ、路面とのマイルドな当たり感などで、205幅・50扁平の17インチタイヤの好印象が記憶に残ったほど。もちろん、スタイリングの面では18インチのスタンスが効いた様子も魅力ですが。

今回は、同じパワートレインの2グレードしか乗っていませんからインプレッサのベストチョイスは17インチとは言えませんが、シャシーの持つ素性の良さからすると、タイヤサイズどころか、駆動方式も関係なく、四輪をうまく接地させていく新プラットフォームの走りを味わえそう。

つまり、新型インプレッサは、どのグレードを選んでも気持よく走れることが期待できるのです。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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