メルセデス・ベンツGLSは「SUVのSクラス」にふさわしいの走り

最大の注目であるエンジンは、5.5L V8の直噴ツインターボ。585ps/760Nmの強大なパワー/トルクはもちろんクラス最強です。同グレード以外のGLSは9ATですが、強大なトルクに対応すべく7ATが搭載されています。

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スタータースイッチを押すと、ド派手な始動音とともに目覚める5.5L V8ツインターボは、街中で走り出すと意外とジェントルで拍子抜け。さらに踏み込むと、希薄なスピード感で速度を上乗せしていく感じは恐ろしさの片鱗を見せるものの、本領を発揮するのは空いている高速道路ということになります。

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しかし、同じ585ps(最大トルクは760Nm)を発生する「メルセデスAMG GLE 63 S 4MATIC」と比べると、2.6tを超える超重量級ということもあってか(GLE 63 S よりも220kg重い)、暴力的な加速でもどこか抑制された感じがします。

それでも、こんな巨体がこんなに速くていいの!? という恐怖心もつきまといますから、高速道路ではレーダーセーフティパッケージのディストロニック・プラスとアクティブレーンキープアシストを使ってゆったりと走る方が向いているかもしれません。

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モンスターSUVなのにそんな気分にさせるのは、22インチとは思えないほど良好な乗り心地。AMG専用のエアサスペンション「AMG RIDE CONTROL スポーツサスペンション」による恩恵は、快適な乗り味だけでなく、「Sports」モードにすれば巨体でも正確なハンドリングに寄与してくれます。

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1900万円もの価格に目を奪われる「メルセデスAMG GLS 63 4MATIC」。このグレードに7人乗りのニーズがどれくらいあるか分かりませんが、多人数乗車が可能で、かつ快適な俊足SUVと考えればお値段以上の価値があるのかも!?

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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