2016年8月25日、ついにホンダからNSXが正式発表されました。
メディア向け発表会の席において、記者からの「年間販売目標は?」という質問に「国内向けは100台です」と答えたことで、はやくもプレミアがつきそうな勢いです。
では、この100台という販売目標はどこから生まれてきた数字かといえば、そもそもの生産台数による部分が大きいといいます。
アメリカ・オハイオ州の専用工場にて作られるNSX。その生産能力は一日8台に過ぎません。年間稼働日数を250日として、一年間の生産能力は2000台にとどまるのです。
つまり日本向けが100台というのは、グローバル生産の5%を日本向けに確保しているという意味なのです。
ただし、これが比率として多いか少ないかというのは議論がわかれるところ。
たとえば2015年のランボルギーニ社のグローバル販売は3200台余りで、日本での販売台数は349台となっています。仮にスーパーカー市場にとって日本は全体の1割程度のスケールだとすると、ホンダの見込みは控えめにも思えます。
とはいえ、同じく2015年におけるマクラーレン社の数字を見るとグローバル販売が1700台弱で、日本では90台となっています。この数字からするとグローバルに対して日本のシェアを5%程度と想定するのは妥当ともいえます。
スーパーカーというのは「その市場で何台売れるか」ということよりも、希少性も考慮した上で全体としての生産台数を決め、その上で地域ごとの割当台数を決めていくというビジネスモデルという面もあります。
NSXにおいても、生産能力と日本以外のエリアにおける見込みなどのバランスから、国内向けの割当台数が100台となったというわけでしょう。
(写真・文 山本晋也)