MTから2年後に設定されたDCT搭載のルノー カングー直噴ターボの走り

さらに、アイドリングストップ機構の有無もEDCと6MTの異なる点で、6MTにはストップ&スタート機能が標準装備されていますが、EDCには未設定になるそうです。

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アイドリングストップの有無で、どれくらいの燃費の差になるかは分かりませんが、JC08モード燃費だとその有無で大きな差にはならずコスト(車両価格)を考慮して装備されなかったそうです。

なお、ルーテシアやキャプチャーのEDCにはアイドリングストップが用意されているのでもちろん技術面での理由ではありません。また、アイドリングストップが付く6MT仕様がPHP(輸入自動車特別取扱制度)モデルであるため、JC08モード燃費の数値がなく、EDCとMTのカタログ燃費の差も不明。

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さて、気になる1.2L直噴ターボと6EDCの走りは、看板に偽りなくトルクフルで力強い走りを堪能できます。試乗ステージの山中湖周辺にはアップダウンと多様なコーナーが連続するワインディングがあり、さらに東富士五胡道路という高速専用道があり、シーンを問わず爽快なドライブが楽しめます。

カングーに乗っていると、そのストローク感のあるゆったりした乗り味からのんびりと走りたくなりますが、高速域でも流れに乗って走るのは容易で、さらに追い抜きをかける場合でも無理なく再加速することが可能。

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デュアルクラッチトランスミッションである6DECは、2-3速、3-4速への変速時に一瞬間を感じさせるフィーリングになっていて、DCTの中でもスムーズさという点では少し物足りなさを感じさせますが、コツをつかめば気にならなくなるのではないでしょうか。

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ほかにも、カングーならではの「粘り腰」と表現したくなるコーナリングなど、走らせることが楽しいと感じさせてくれる美点はもちろんEDC仕様もそのまま。

6MTも完成度も高いだけに、直噴ターボとMTの組み合わせを推したいところ。もし、2ペダルしか選択できないなら4AT仕様ではなく、迷わず6EDC仕様をチョイスしましょう!

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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