アイシン精機のパーソナルモビリティがドイツのデザイン賞を受賞

アイシン精機は、同社のパーソナルモビリティ「ILY-I」「ILY-A」が、ドイツのDesign Zentrum Nordrhein Westfalen e.V.(ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター)が主催するRed Dot Design Award において「Red Dot Award: Design Concept2016」を受賞したと発表しました。

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さらに、「ILY-I」が受賞案件の中でもより優れたものに送られる「Red Dot: Best of the Best」に選ばれました。

「Red Dot Design Award」は1955年から毎年開催され、ドイツの「iF design award」、アメリカの「International Design Excellence Awards」と並び、世界三大デザイン賞のひとつに数えられる権威ある賞です。

そのなかでも「Red Dot Award: Design Concept」は、デザインの概念やアイデア、先見性、将来性などを重視して選定される2005年に新設された部門です。

今回この部門には、60カ国から4,698件のエントリーがあり、244件が「Red Dot Award: Design Concept2016」を受賞、うち42件が「Red Dot: Best of the Best」を受賞しています。

アイシン精機はこれからも製品のデザインについて、見る人や使う人が抱く期待の一歩先を行く新しい価値を生み出していきたい、としています。

今回、同社が受賞した内容は次の通りです。

■ILY-I:「Red Dot Award: Design Concept」 「Red Dot: Best of the Best」

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「ILY-I」は、屋内で使用することを想定したファニチャーモビリティです。

現在の電動車いすは、室内空間にマッチさせにくく、また健常者との差を感じさせるスタイリングのため乗りたくないツールになっています。そこで、インテリア性が高く、一般的な家具と同じように、老若男女問わず使え、誰もが乗りたいと感じるモビリティを目指しました。

発進・停止、方向やスピード、回転といった移動に関わる制御は、肘掛けにあるコントローラで誰でも簡単にできるようになっています。

・デザイナーのコメント

これから必然的にIT化していく生活環境のなか、違和感をもって迎えられるのではなく、生活空間になじみある家具をインテリジェント化するという新しい生活スタイルを提案しました。センサーを目のように両側につけ、愛らしい生き物のようであり、一緒にいたくなるようなイメージを持たせました。

■ILY-A:「Red Dot Award: Design Concept」

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「ILY-A」は、4 種類の形態に変形させることで多用な用途に対応する1 人乗りの電動モビリティです。

ベビーカーとほぼ同程度の小型サイズでありながら、ロボット技術を応用した新開発の「知能化安全技術」を搭載し、突然飛び出してくる人や障害物などを動・静止物体に関わらず認識し、自動で車体の速度を減速して制動制御します。

安全かつ気軽に使え人々の行動範囲を広げることができる「ILY-A」は、若者からアクティブシニアまであらゆる世代の人々が快活に活動する社会を実現するためにデザインされた近未来の乗り物です。

・デザイナーのコメント

未来のライフスタイルを描き、人とモビリティとの新しい関係を考えた時に、単なる移動ツールではなく人々の暮らしをより豊かにするものにしたいと考えました。また若者からお年寄りまで幅広い層の人が乗りたくなるようなデザインを目指しました。

(山内 博・画像:アイシン精機)